トランスバーターHX-640

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ヤフーのオークションで、東京ハイパワーのトランスバーター(ダウンバーター)というちょっと変わったものを入手しました(9750円でした)。トランスバーターと言えば普通HFの機械を用いて50MHzや144MHzの送受信をするためのものですが、これはそれとは逆に50MHzの機械でHF帯を送受信します。



試しにTS-680Vで使ってみたら、ちゃんとHF帯の信号の送受信ができました(当たり前ですが)。送信出力はHIとLOWに切り替えられるようになっていて、HIポジションで約40W出力できます(CWで)。入力電力は入力部のアッテネーターで10Wと2.5Wに切り替えられるようになっていて、2.5WのポータブルトランシーバーでもOKです。200mW程度の入力でも動作可能と取説にはあります。

またキャリアコントロール機能があり、キャリアが入ると自動的に送信、切れると自動的に受信になります。これが意外と便利です。もちろん制御端子があり、入力側からの制御信号でも切り替えは可能です。これには送信時に13.8Vになる制御信号が必要です。なおこのキャリアコントロールは、SSBに対応するため、送信がオフになるのにかなり長い時定数(これも調整可能ですが)があるのでCWのフルブレークイン動作はちょっとムリです。

これは50MHzの小電力のトランシーバをもとにして、HF帯で比較的大きな電力を出力するトランスバーター兼リニアアンプのような利用のしかたが面白いかもしれません。あるいは手持ちの古いRJX-601を用いたBCL受信機とか。そのうち50MHzのモノバンドの無線機を入手して活用したいと思っています。実は50MHz専用の無線機を自作するというのを目論んでいますが、これはちょっと先になりそうです。

ある日思い立って、RJX601にこのトランスバーターを繋いで、7MHz付近を受信してみました。SSBやCWの信号は当然受信できませんが、7.1MHzから少し上の方に並ぶ放送局がよく聞こえました。RJX601は50MHz〜54MHzまでカバーしていますので、トランスバータがちゃんと動作すれば11MHzまで受信できるはずですが、(当然ですが)周波数を上げて行くと感度がどんどん下がります。まあ使えるのは8MHz付近までです。それでも8MHzのJJYはちゃんと聞こえました。話はそれだけですが、RJX601のスピーカーから短波の放送局が聞こえてくるのはなんとなくシュールな感じで面白かったです。

その後、八重洲のFT-690mkUを入手しました。これは現在は製造中止になっている50MHzのSSB/FM/CWのハンディ機です。出力は2.5Wですが、機械の後側に10Wのリニアアンプを密着して接続するとモービル機のような使い方ができます。

早速このFT-690mkUにトランスバーターを繋げて試用しました。出力を確認すると、入力2.5WでLowで10W強、Highで40W程度出ます。ただし一つ問題があり、CWで利用できないのです。

FT-690mkUには送受切替の信号出力がどこにもなく、したがってトランスバーターの送受切替ははキャリアコントロールに頼ることになります。ところが、このキャリアコントロールがCWではうまく働かないのです。CWでキーダウンすると、トランスバーターはいったん送信に切り替わりますが、一瞬後に再び受信に切り替わってしまいます。その後再び送信になりますが、CWで運用する時は(当然ですが)キーダウン、キーアップを繰り返します。送信から受信への復帰はディレイがかかるため問題がないのですが、CWでの送信で必ず頭切れをおこします。これではとても実用になりません。これに関してはもう少し詳しく調べることにします。



ちょっと調べたところ、入力を10Wにすると送受切替はうまくゆき、CWでも問題なく送信できることがわかりました。キャリアコントロールがうまく働くには入力電力が2.5Wでは不足しているということのようです。ちょっと回路図を見て詳しく検討したいと思います。

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