KENWOOD TR-751D

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オークションで買ったTR-9000が壊れた。

入手してまもなく、突然TR-9000が受信不能になってしまいました。症状はモードにかかわらずまったく受信しません。FMでもSSBでもシーンとしてノイズも聞こえません。スピーカーに耳を近づけてAFゲインを上げると、かすかにノイズの音が大きくなるので、少なくともAF段は生きているようです。まず蓋を開けて、アンテナ端子が外れていないか調べたがハンダ付けはしっかりしていました。次に送信はするかと思ってチェックすると、一応送受切り替えはするようですが、送信もできません。最初は受信のRF段のアンプを疑っていたのですが、送信もしないとなると違うようです。次にキャリアが発振しているか調べましたが、これはOKでした。たしか10.6935MHzとかそれくらい。ただしこれはSSBとCWのみで、FMの時はこの発振は止まります(これは正常)。

次に疑ったのは局発周りです。出力を見ましたがどうも出ている気配がありません。PLLの出力は送信側と受信側に行くのですが、受信側の同軸ケーブルをはずしてみたところ、この線をはずしてから電源をONにすると少なくともまともな音量の雑音がすることがわかりました。SSBのときも、FMの時のノイズも普通になります。FM時のスケルチもちゃんと効きます。なぜこの線をはずすと音量がまともになるのかわからないけど、そうなります。ただ、電源入れてからこの線をはずしても音量が大きくなることはありません。それでおかしいのはPLL周りと判断しました。

と、思ったのですが、結果的には違っていました。おかしいと思っていたPLL出力の線は実は違っていて、RX基板からPLL基板へのリファレンス(たぶん10.24MHz)の信号だったのです。この線をたどるとTC5082の2番ピンへセラミックコンデンサを介して接続されています。調べたらTC5082は発振器内蔵リファレンスデバイダでした。そこの信号線を周波数カウンタで測っても表示がフラフラして信号が来ている気配がありません。問題の線を外して電源を入れると、シンセ自体はロックしていないけどちゃんとSSBモードではなんだか受信をしている感じで動いている感じはしました。ただしFMの時はまったく受信動作をしていない感じです。FMの時だけ10.24MHzのリファレンス信号が他でも使われているに違いない。ただTR-9000の回路図が無く、TR-9300の回路図はあるのですが、このあたり違うようでちょっとわかりません。10.24MHzの発振用トランジスタかなぁ。結構大変そうだなぁ。

もう少し調べました。たぶんSSBの場合IFが10.695MHz(FMの時はダブルスーパーで第1IFになる)でFMの場合第2IFが455kHzなので、その差が10.24MHzということになります。だからSSBの時は10.24MHz自体は(局発としては)使わないことになる。そうすると上の動作はリーズナブルでたぶんSSBの時は単に10.24MHzをあそこに突っ込めばちゃんと動作するはずである。ちなみにTR-9300の場合なぜか逆側でFMの第2IF用の局発は11.15MHzになっています。10.24MHzはPLL基板に別に載っています。

というわけで、故障箇所はRX基板の10.24MHzの発振部というところまでは特定できたのですが、このあとどうすればいいのか分かりません。少なくともTR-9000の回路図を手に入れないと先に進めそうもありません。どうしようかなぁ。もう諦めようか。。。


というわけで、とりあえず、オークションでTR-751Dを買いました。この機械は少し古いですが受信感度が非常に高いらしいです。比較的安く(16,000円)入手したのですが、外観が汚かった。上蓋はところどころ塗装がハゲていました。外してハヤトールでクリーニングしたら少しましになった。あと、ツマミを全部外して、中性洗剤の液に浸して歯ブラシで磨いたら随分綺麗になりました。あとフロントパネルも外してハヤトールでクリーニング、それでも残った汚れは中性洗剤と歯ブラシで磨いてさっぱりしました。デザインはいいですね。緑色のイルミネーションが綺麗です。アナログのSメータも今となっては珍しいですね。


この無線機はTR-9000に比べると随分使いやすくなっています。まずはメモリーのバックアップ電池が内蔵されていて、メモリーの内容が電源を切っても残っています(普通それが当たり前に思いますが、TR-9000はバックアップ電池が内蔵されていないので電源を切ると忘れてしまいます)。あと、ロータリーエンコダーが比較的軽くて、指でぐりぐり回せます。あと、チャネル間隔がSSBだと5kHzでファインにすると50Hz単位に切り換えられるので、出ている局をサーチするのにまずまずストレスがかかりません。どうもワッチしていると144MHzのSSBはもともと5kHz単位でオンエアする習慣が有るらしく、それも(ストレスを感じない)理由かもしれませんが。

この無線機は25Wタイプなので、Hで25W、Lで5Wですが、上蓋を空けたヒートシンク近くのVR3(Low)/VR4(High)という半固定抵抗で調整することができます。これは良く分かりませんがALCのリミットを決めるようです。入手直後はHで30W位出ていたのでちょうど25Wになるように調整しなおしました。

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