FT-101ESをGetせよ!!
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今は昔、中学生の頃、HFトランシーバーと云えばTRIOのTS-520か、八重洲のFT-101でした。結局私は中古でTS-520Xという10W機を入手したのですが、本当はFT-101の方が欲しかったのです。なんといってもデザインがいかにも通信機っぽくて洒落ていました。それから二十数年経ったいまでも、その憧れの気持ちは変わりません。以前からオークションで最終型のFT-101Eを狙ってはいたのですが、程度の良いものは値段が高くて指をくわえて眺めているばかりでした。CQ出版社から再版された「FT-101メンテナンスガイド」を買って眺めながら、やっぱ101はいいなぁ、と思っていました。
ところが、先日何の気なしに入札したFT-101ES(10W機)が24,500円という比較的安値で落札できました。これまでオークションで入札だけはよくしたのですが、大概敗れ去っていました。
さて、送られてきたFT-101ESですが、外観は錆びがところどころに浮かんでいるものの、大変綺麗に掃除されていました。フロントパネルのビニールも付いています。今までTS-520を見慣れていたのですが、奥行きが520に比べるとかなり短い気がします。VFOのダイヤルの動きも引っかかりもなくスムースです。ちなみにVFOのダイヤルは、クルクル回る520に比べるとてネトッとしてかなり重い感じがします。もともとそういうタッチらしいのですが……。
このFT-101ESは最終型で、おまけにBタイプのスピーチプロセッサが付いていました。オプションの水晶は、マーカー用の3.2MHzと、160m・JJY・AUX(27MHz)が追加されています。オークションにオプションの水晶の記載はなかったので結構ラッキーだったようです。それが書かれていたらもう少し高くなっていた気がします。
出力を測ってみると、7MHzで12W程度しか出ませんが、他のバンドでは15W程は出ます。一応規格の10Wは出ますがもう少し出ても良い気がしてばらしてみました。
バラしてみると気がつきましたが終段の真空管6JS6Cの側面が黒ずんでいます。おそらくかなり劣化しているのでしょう(と、最初は思ったのですが、この真空管は最初から黒ずんでいるようですのでそういう意味では劣化していないのかもしれませんよくわかりません)。説明書とメンテナンスガイドを頼りにトラッキングや中和の様子を見た限りではそのあたりの調整はちゃんとできているようです。
もう少し調整が必要であることを覚悟していたのですが、なんとなく調子抜けです。そのうち6JS6Cを入手して交換したいと思います。
ところで「FT-101メンテナンスガイド」によると6JS6C1本で50W出す方法があるようです。これは6JS6Cを2本使った100W改造の作業で真空管を1本追加する部分を省略するだけのようです。でもほんとうに1本で50W出せるのでしょうか?まあ2本で100Wなんだから1本で50W出てもおかしくないのか……。
その後オークションでFT-101用のCWフィルタ(XF-30C)の未使用品を(結構な値段で)入手し早速装着しました。
このフィルタはさすがに未使用品だけあって損失もなくいい感じです。帯域幅はよく知りませんが聞いた感じだと500Hzくらいの感じでした。
しばらくいろいろといじくってみて、FT-101とTS-520の違いがなんとなくわかってきました。520の方は受信音が非常に柔らかく聞き心地が非常に良いです。101の方は若干硬い音がします。また取り説の書き方を見ても101の方がマニアックというか細かいことまで書いてあるというか難しいというかそういう感じです。520の方は技術的なことよりも運用に関する注意点に重点がおかれています。また101の方はAF出力があったりしていろいろ応用が利きますが520の方は単純にトランシーバとして使うことしか考えられていない感じです。技術的なことはいいからとにかく交信したいタイプの人向けなのが520、技術的な興味が先行していて、いろいろ応用してみたい人むけなのが101と言った感じです。そういうフィロソフィ的なことでいえば私は101が好みですが、520の音のよさはそれを引き換えにしても魅力的です。
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