6mリニアアンプの製作
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ずいぶん前に(といっても1,2年前ですが)オークションで6mのリニアアンプの基板と部品の一部を買ってそのままになっていましたが、ここで作った千葉さん設計のSSBトランシーバ(以下ビギトラ)やここで復活したピコ6のバラック基板を組み立てたSSBトランシーバの出力が100mW〜200mW程度とちょっと小さいので、組み立てててみることにしました。
これは"LA-936"という型番のついた広帯域リニアアンプのキットで、トランジスタ(2SC1945)と出力コイル用のトロイダルコア(FT37-61)と入出力の同軸リレー(G5Y-1)がついていました。サトー電気で残りの必要な部品(主にトロイダルコア)を買ってきました。
このキットは入力側は(必要に応じて)アッテネータが入り、そのあとにFT-23-43で作る9:1のインピーダンス変換器、トランジスタが入り、出力側には1:4のインピーダンス変換器、ローパスフィルタという構成になっています。終段のLFPは4段になっていましたが、ロスが気になるのと、あと面倒くさいのもあって、2段に省略しました。
このリニアアンプが、簡単な回路なのに、予想外に手間取りました。説明書には、まず(バイアス電流調整用の)VRを回して0mAになるようにして、その次にVRを少しづつ回して20〜30mAになるように調整せよ、と書いてあるのですが、この電流というのはアイドリング電流のことで、つまり、コレクタに流れる電流のことだったのでした。バイアス回路に流れる電流はまた別です。こっちのほうが70mA程度流れている(これはこれでちょっと多いような気がしないでもないが、よく考えてみればリレーが30mAくらい食っているので、こんなもんでしょうか)ので、最初全電流を測っていたので、どうやっても0mAにならず、ウームとかなり長い間考え込んでしまいました。
結果的にはアイドリング電流を30mA程度流れるように調整すると、ピコ6を入力したときで0.5W程度は出るようになりました。バラックの状態なので本当はもっと出ているはずです。スルーの状態と比べてみるとまあ10dB以上利得が出ている感じなので、まあこれでいいんでしょう。説明書によると、電力利得は10dBとあります。
こうやって作ってみると、リニアアンプもなかなか面白いです。インピーダンス変換がちょっと難しいのと、コアを手巻きするのが結構面倒かなという印象ですが。
(2008-3-2追記)
その後タカチのYM-150を加工してケースに入れました。なんだか配線がべろべろして多少みっともないですが。例によって千葉さんの本を参考にして下記のような送受切替の簡単な回路を追加しています。切替端子をGNDに落とすと送信(リニアアンプON)となります。
これをピコ6(改)に接続してピコ6をCW連続送信モードにして出力電力を測定すると1.5W程度となっていました。おしまい。
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